【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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薬の役割はピンチヒッター

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薬の役割についてお話ししたいと思います。一般的には薬は病気を治すと信じられています。この「治す」という言葉の定義にもよりますが、いわゆる根本的な治療という意味では薬は病気を治しません。あくまでも、こころとからだが癒やされて自己修復していくまでの期間、症状を抑えたりコントロールしたりしているに過ぎないのです。

身体の病気と考えられている高血圧や糖尿病なども、とりあえず症状や検査データを薬が改善してくれますが、病気の原因そのものを治しているわけではありません。当然、食事や運動などの生活習慣を全く変えない日常生活を送っている限りは、薬をやめると病状が悪化して元に戻ってしまいます。生活習慣病と言われているのはこのような理由からです。

このように薬の役割は、根本治療ではなくより好ましい生活習慣に変えるまでの間、病気が進行しないようにコントロールして時間稼ぎをしてくれるピンチヒッターなのです。お薬で症状を抑えている間に、生活習慣や環境をより好ましい状況に変えたり、自分自身のストレスへの抵抗力を高めたりすることができれば、薬の漸減や中止が可能となります。

治療法の選択肢

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うつ病などのこころの症状やストレスによる身体の不調の治療法としては、通常は薬物療法かカウンセリングや心理療法が行われます。心理療法の中でも認知行動療法は近年保険適応が認められ、薬物療法単独より治療効果も高いと言われています。そのほかにも、代替療法としてアロマセラピーやヨーガや気功や瞑想など多くの方法が世界中には存在します。

従来の西洋医学による治療は他者療法が中心になります。病院を受診してお薬を使って治しましょう、またはカウンセリングを受けて治しましょうと受身的な感じになってしまいます。しかしそれ以外にも、心身が本来の健康バランスを取り戻すために自分自身で実践できる、リラクセーション法のようなセルフコントロールが中心の方法もあります。

自分でできるこの方法は、ストレスへの抵抗力を高めることで症状の再発を防いでくれます。ストレスによる交感神経緊張状態から、副交感神経が優位なリラックス状態に速やかに切り替えることができるように、日頃から自律神経の働きを自分自身でトレーニングして鍛えておくことで、回復力(レジリアンス)を高めることが可能となります。

ストレス反応とリラクセーション反応

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人間の身体の中では、ストレス反応とリラクセーション反応という2つの反応が起こっています。身体のストレス反応が起こっているときは交感神経の働きが優位になりますし、リラクセーション反応のときは副交感神経の働きが優位になってきます。それに伴って、身体の状態や内臓の働きは変化します。

副交感神経が活発に働いているときは胃腸が働き、食事から栄養を吸収したり、休息や睡眠により疲れを回復したりします。交感神経が主に働いているときは、身体を動かしたり仕事をしたりと、筋肉や脳細胞でエネルギーが多く必要とされます。薬の減量や中止が上手くいくためには、この2つの反応のバランス回復が鍵となります。

すなわち、エネルギーの再生と細胞のメンテナンスを主に司っている副交感神経系によるリラクセーション反応へのスムーズな切り替えが、日常生活の中でできるようになることが薬の漸減中止にとっては重要なポイントとなるのです。そのためには、自分自身で「思考」と「行動」と「栄養」を変えていくセルフヒーリングという方法があります。

習いごとを始める

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長年のストレス環境の中での生活で、ストレス反応と言われる交感神経の緊張状態が癖になってしまった身体を、リラクセーション反応を意識的に起こすように練習することで再びバランスの取れた状態に戻すことができます。すなわち、こころと身体がくつろいだリラックス状態になることで、エネルギーの再生が積極的に行われるのです。

具体的には、ゆっくりと腹式呼吸を行う呼吸法、自己暗示の一種の自律訓練法、リラックスイメージを誘導する方法、最近注目されているマインドフルネス瞑想などさまざまな方法があります。いずれも、お薬を飲むようにただ受身的にそれを行えば効果がでてくる方法ではありません。すべて、自らが積極的に意識的に継続的に練習を行う必要があります。

スポーツや楽器演奏やダンスなどと同じで、毎日の繰り返しの練習により脳が自律神経バランスの取れた新しい使い方を学習していきます。従って、病院で治してもらうというよりは、新しい習い事を始めるという感覚に近いと思います。クリニックに来られた患者さんに、「このクリニックでは治しませんよ」と最初にお伝えするのは、このような理由からです。