【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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言葉が原因でうつになる

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言葉で実際に病気になってしまった患者さんの例をご紹介したいと思います。会社勤務の女性で、うつ病ということで精神科クリニックに数カ月間通院してお薬を飲まれていたのですが、一向に良くならないということで来院されました。その患者さんは、職場の隣の席に座っている同僚が、上司からパワハラ的な暴言や叱責をいつも受けているのを横で聞いていただけで、ご本人自身は上司との関係は問題なかったとのことでした。

上司の同僚への暴言が始まって半年ぐらい経った頃から、不眠や抑うつ気分、食欲不振などのうつ症状がみられるようになり、メンタルクリニックを受診しうつ病と診断されお薬を処方されたようです。多少症状がましになったような感じはあったようですが、出勤するとしんどくなるということが続き、やがて朝起きることもできなくなってしまいました。

その患者さんの場合、子供の頃に父親から暴言や暴力を受けていたとのことで、その時に学習された自律神経系などのストレス反応プログラムが、上司の暴言を聞き続けたことで再び起動したと考えられます。PTSDやトラウマ体験なども、脳のコンピューターが自分でも気づかないキーワードを入力された瞬間に、データベースに記録されている過去の体験や情動といった情報が自動的に引き出されてしまう現象と言えるでしょう。

言葉が現実を創り出す

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言葉が感情や思考に何故影響するのかというと、例えば感謝の気持ちがその時にはなくても、「ありがとう」という言葉を意識的に使うことで、その言葉に関係する脳神経細胞が働きます。同時に、この「ありがとう」という言葉を実際に使ったことがある過去の記憶情報にもアクセスしているので、脳の神経ネットワークの「ありがとう」に関連づけられた領域が活発に活動することになります。

「ありがとう」という言葉は、通常人間関係が上手くいっている時に使うので、その言葉を使うことで人間関係が上手くいっている時の脳の神経ネットワークが刺激されることになります。その結果、日常生活でも人間関係が良好な時の思考や行動を選択する機会が増えていくと考えられます。コンピューターのプログラム言語と同じように、脳の超スーパーコンピューターも「言葉」が思考や感情のプログラミングの最小基本単位となるのです。

逆に、ネガティブな感情を伴う単語をいつも使っていると、人間関係が上手くいかない時の思考や行動を選択している時に使っている脳の神経ネットワークの中にそれらの単語は含まれているので、現実的にも人間関係が上手くいかないことが増えていくのです。このように世の中の現実世界は、各自の言葉により意味づけられ創り出されているといっても過言ではないでしょう。

一人言トレーニングで気分を変える

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毎日同じ言葉を使い続けることで、脳はその言葉を学習します。例えば、学生時代に英単語を覚えるために繰り返し声に出したり書いたりしたことがあるかと思います。最初は全く意味を持たないアルファベットの羅列に過ぎなかった英単語が、繰り返しにより学習されたわけです。これと同じことで、ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換えて声に出したり心の中で繰り返したりすることで、自然に使えるようになります。

例えば、「しんどい」「疲れた」という言葉にはネガティブな感情が意味づけされていますが、何もその言葉を使って表現しなければならないという規則はなく、「よく頑張った」「一休み一休み」という言葉に置き換えてもいいわけです。他にも「できない」と「今はしない」、「難しいな」と「チャレンジだな」、「~ねばならない」と「~してみたい」、「~に違いない」と「~かもしれない」など、言葉を変えるだけで気分も変わってしまうのです。

このように、同じ状況でも言葉を変えてみるだけで感情や気分を変えることができます。この練習方法の良いところは、英単語を覚える時と同じように一人言トレーニングが可能ということです。日常の会話や考え事の中で変えようとすると大変ですが、普段歩きながらや一人でいる時に声に出したり心の中で繰り返したりすることで脳の言語中枢が自然に学習してくれるわけです。

ポジティブ思考になるためには

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考え方を変えようとするのは難しくても、言葉だけを変えるのであれば簡単にできます。普段自分自身が、人との会話や頭の中で考えたりする時に使っている言葉を一度チェックしてみましょう。ポジティブな感情を伴う言葉とネガティブな感情を伴う言葉のどちらの使用頻度が多いかで、普段の心の状態も変わってきます。無意識に使っていたりするので、自分では気付かないこともあるかもしれません。

そういう場合は、家族や友達など周りの人に自分がどのような言葉をよく使っているのか尋ねてみたり、スマホやICレコーダーなどで自分の会話を録音して後でチェックしてみたりすると良いでしょう。口癖のようにいつも使っている言葉は、子供の頃に家族や友達など周囲の人達から自然に取り込み自分の言葉になっていることが多く、その言葉を絶対に使わなければならないという決まりはありません。

もしネガティブな感情を伴う言葉の使用頻度の方が多い場合は、日常的にも感情がネガティブになり易く、思考も悲観的な考え方をしてしまうようになります。逆にポジティブな感情を伴う言葉の使用頻度が多ければ、日頃の感情もポジティブでいることができ、思考も楽観的な考え方になっていくことでしょう。このように、言葉を変えると感情が変わり、感情が変われば思考も変わっていくのです。