【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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ミラクル・クエスチョン

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「望まない状況を避ける」という考え方ではなく「望む状況を選択する」という話しを以前にしたかと思いますが、この場合の望まない状況は必ずしもネガティブな感情を伴うとは限りません。また望む状況もポジティブな感情を伴わないこともあります。無意識下の「青写真」が怒りや悲しみなどの感情であれば、本人が気付いていないだけで実はその感情を感じることを望んでいるのかもしれません。

このような場合、その「青写真」の存在に気付いて変えてしまうことができます。例えば、解決思考アプローチという心理療法の中で使われるミラクル・クエスチョンという手法があります。これは、「奇跡が起こり、あなたの問題がすべて解決したとします。その場合、あなたはその奇跡が起こったことをどんなことから気付きますか?」という質問を投げかけて、問題解決後の状況を具体的にイメージしてもらう方法です。

これを自分自身で行う場合、心身が十分リラックスした状態でイメージを思い浮かべる練習の中で実践するといいでしょう。就寝前などの落ち着いた状態で呼吸法などのリラクセーション法を行った後に、奇跡が起こって全てが解決した一日を、朝起床してから夜眠るまで時系列に従って順番に思い浮かべていきます。感情も伴いながら、できるだけリアルにイメージしていくことで「青写真」を書き換えていくことができるのです。

思考/感情が現実を創る

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人は脳という超スーパーコンピュータのプログラムに従って生きています。このプログラムは、五感と身体感覚という入力デバイスから入ってくる情報やデータを自動的に取捨選択しています。その時々にどのようなことを考えたり感じたりしているかにより、脳はそれに関連する情報を選択して処理しているのです。そのため、日々の生活で体験する膨大な情報量のごく一部しか、脳は認識していないことになります。

五感を通じて脳に入ってくる情報の中から、その時に意識していることや無意識下にある「青写真」に関係するデータを自動的に収集しているので、辛い症状や嫌なことや自己否定的なことを考えたりしていると、そのことに関連する情報を脳は五感を通じて意識的/無意識的に取り込みます。その結果、「青写真」の内容が現実にも起こっていると考えるようになってしまいます。思考が現実を創り上げているとも言えるでしょう。

喜怒哀楽といった感情も脳の働きの一部と考えると、「特定の感情」をいつも感じるような生活を続けていることで、その「青写真」が脳の中にデータとして無意識下に記録されます。その結果、その感情を感じるような日常の出来事についてのデータを脳は選択して取り込むようになり、同じような感情や状況をさらに繰り返し体験するような行動を無意識にとってしまいます。この場合、感情が現実を創っていることになります。

イメージの条件付け

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ポジティブな考えやイメージは、心と身体がリラックスして落ち着いている時に出てきやすいのに対して、ネガティブな考えやイメージは、心と身体が緊張している時に出てきやすい傾向があります。「望まない状況を避ける」という考え方ではなく「望む状況を選択する」考え方に変えるためには、このポジティブな考えやイメージが出てきやすいリラックスした心身の状態にしておくことが重要です。

そのための方法として、呼吸法や自律訓練法、筋弛緩法などのさまざまなリラクセーション法が効果的です。これらの練習を続けることにより自分自身で十分リラックス状態にすることができれば、次にイメージの練習をしていきます。まず最初は、自分が好きな風景などをリラックス状態で思い浮かべる練習をします。呼吸法や自律訓練法などのリラクセーション法にイメージ練習を組み合わせるのです。

自律神経系を中心とした心身のリラクセーション反応とポジティブなイメージを同時に体験することを続けることで、この両者は条件付けされていきます。例えば、呼吸法をすればポジティブなイメージが浮かびやすくなり、逆にポジティブなイメージが浮かべば心身のリラクセーション反応が起こるようになります。このように、ネガティブな条件付けの結果としてのストレス関連症状を、ポジティブなイメージで再条件付けしていくことができます。

環境が脳を変える

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痛みや症状が長期間続けば続くほど、脳コンピュータの神経ネットワークはそのパターンを日常生活で五感から入ってくる外部情報と関連づけて学習し続けることになります。職場や家庭での人間関係や仕事のストレスと痛みや症状が条件付けされた形で、脳コンピュータのデータベースにどんどん記録されているのです。その結果、日々の生活体験そのものが痛みや症状を自動的に引き起こし続けることになってしまいます。

パソコンで毎日同じプログラムを立ち上げて同じデータを入力し続ける限り出てくる結果は同じです。もし異なった結果を望むのであれば、普段と違うデータを入力し異なったプログラムを立ち上げる必要があります。脳コンピュータも同じで、日常生活に変化がなければ結果としての症状も変わらない状態が続きます。もし痛みや症状を無くしたいのであれば、異なった日常生活体験をすることが重要となります。

昔ながらの温泉湯治や転地療法といった方法は、環境を変えることで脳コンピュータの再プログラミングをしているようなものです。朝起きた瞬間から見える景色が違います。聞こえてくる音や香り、料理の味、温泉に入ることによる皮膚感覚といった五感、ゆっくりと散歩することによる身体感覚など普段と異なる情報が脳コンピュータに自動的に入力されます。その結果、心地良さを感じるプログラムを起動することができれば、それまでの痛みや症状が出るというプログラムを使う機会は減っていくことでしょう。

健康な自己イメージ

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慢性の痛みや症状がある人の場合も、シロクマの実験と同じような現象が脳の中で起こっていると考えられます。「この痛み(症状)さえ治ったら・・・」「この痛み(症状)を何とかしたい!」と、長年悩まされ続けている痛みや症状についての感覚やイメージがまず頭の中に浮かび、それを何とか解決したいと考え意識することになります。その結果、痛みや症状に伴う自律神経系などの身体反応も自動的に引き起こされてしまいます。

決して望んではいないにもかかわらず、意識すればするほど逆に痛みや症状をより強く感じ、いつまでも治らないということが起こってしまうのです。これを解決するためには、最初から望む状態を直接考えたりイメージしたりすることが有効です。すなわち、「望まないことをしない(避ける)」といぅ否定型ではなく、「望むことをする(選択する)」という肯定型で考える(イメージする)習慣を身につける練習をしていくのです。

「もし今の痛み(症状)が完全に治って何でも好きなことが自由にできるという状況になったら、毎日どんな気持ちでどんなことをして暮らしていますか?」という質問を慢性の痛みや症状がある患者さんにしたときに、具体的なイメージが全く浮かんでこないということをよく経験いたします。これは、痛みや症状が生活の中心になってしまった結果、健康な時の自己イメージがわからなくなってしまっている状態と言えます。