【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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動かない動く物?

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生物学的に人間を分類すると、動物界・脊椎動物門・哺乳綱・霊長目・類人猿科・ヒト属(ホモサピエンス)となるそうです。何故このような分類を紹介したかと言うと、人間も動物の一種族に過ぎないということを強調したかったからです。動物は動く物と書きます。すなわち絶えず動き回って生きている生物であり、刻々と変化する地球環境に適応しながら毎日暮らしているわけです。

動物がじっと動かずにいる時は、休息を取ったり眠ったりしている時か病気の時ぐらいです。健康で休む必要がない時にもじっと同じ姿勢で固まっている動物は、地球上ではヒト属ぐらいではないでしょうか。人類の長い進化の歴史の中で、ここ数十年特にその傾向が強くなってきているようです。元々動物の身体は、動き回りながら環境に適応していくように進化してきました。

したがって、自律神経系/内分泌系/免疫系といった調整システムも身体を動かし続けていることを前提に機能しているわけです。ところが人間のライフスタイルは、近年動かない状態でいる時間が増えてきており、本来の動物としての機能が使われないまま退化しているような気がいたします。実際、毎日座っている時間が長くなるほど病気になり易く寿命も短くなるという“Sitting disease(座り病)”という概念も提唱されています。オーストラリアで行われた45歳以上の男女22万人の3年間の追跡調査で、座る時間が1日4時間未満の人達に比べて11時間以上座っている人は、死亡リスクが40%も高いという結果が出ています。

スマホ姿勢が病気を作る!

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姿勢の違いだけて身体のホルモンバランスが変わるということは、普段自分自身がどのような姿勢で生活をしているかで体調や心の状態が影響を受けているということになります。例えば、スマホをしている姿勢はLow Powerポーズになるので、自信を高めてくれるテストステロンは減少しストレスホルモンのコーチゾルが増加してしまいます。その他にも、パソコン操作時などの下向きの姿勢でも同様のことが起こっているのです。

特にスマホ操作時の頭を前に傾けた姿勢は、頚部に大きな負荷をかけています。2014年に報告された研究論文では、前方に頭を傾けるに従って頚部への荷重が増え、仮に頭部の重さを5kgとすると15度傾けるだけで約12kgが、60度傾けると27kgの荷重が頚部にかかるということです。この27kgという重さは8歳(小学2年生)の子供の平均体重になるので、後頚部~肩の筋肉はとんでもない過緊張状態を強いられることになります。

このような姿勢を毎日長時間取っていると当然筋緊張による肩こりや頭痛が起こってしまいます。同時に精神的にも自信のない絶えず不安感をかかえた状態になるわけです。対症療法の今の医学では、頭痛薬と抗不安薬が処方されてしまいますが、日常生活の姿勢を変えない限り薬を飲み続けることになります。筋肉は同じ使い方をすると脳がそのパターンを学習するため、普段の姿勢も次第にLow Powerポーズになってしまいます。

姿勢の違いでホルモンが変化!

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腸や心臓がホルモンも作っているという話を以前しましたが、筋肉も実はホルモンに影響を与えているという興味深い研究があります。米国の社会心理学者のエイミー・カディー氏の著書「<パワーポーズ>が最高の自分を創る」(早川書房)によると、姿勢の違いだけで自信を高めてくれる男性ホルモンのテストステロン(女性でも量は少ないですが分泌されています)とストレスホルモンのコーチゾルの値が変化するというのです。

この本の中で、どのような姿勢になっているかにより体内でのホルモン分泌量が影響を受けるという大変興味深い研究結果が紹介されています。それによると、10分以上の安静時間の後に2通りの異なった姿勢を2分間とり、その前後で唾液中のテストステロンとコーチゾルを測定した結果、High Power ポーズの群ではテストステロンが19%上昇しコーチゾルは25%減少したということです。

またLow Powerポーズの群では、逆にテストステロンは10%減少しコーチゾルが17%上昇しているのです。実際の姿勢としては、High Powerではいわゆるスーパーマンが胸を張って立っているような姿勢やガッツポーズのように両腕を上に上げて広げた姿勢で、Low Powerポーズは背中を丸めてうなだれたようなションボリ姿勢です。この研究結果から、米国では会議や面接などの前に自信を高めるために数分間ハイパワーポーズを取る人が増えているとのことです。