【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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不安な自分と冷静な自分

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過去のトラウマ体験などで心に傷を負っている場合、一般的に問題となるのはまず「不安感」が挙げられます。そして、「恐怖感」と「怒り」もそれに加わってきます。主にこの3つの感情が絶えずこころの中で大きくなったり小さくなったり変化しています。この時、身体もいわゆる交感神経緊張状態になっていることが多いため回復が難しくなります。

このような時、こころの中は不安、恐怖、怒りなどの感情を感じている「不安な自分」がすべてというわけではありません。実は「冷静な自分」というもう一人の自分がいるのです。ただ、長年のストレス体験の中で小さくなってしまっています。この「冷静な自分」が、こころの傷の回復に重要な役割を果たすことになります。

この「不安な自分」と「冷静な自分」の2人の自分は、誰の心の中にもいて、その時々の状況に応じて変化しています。医学的には、「不安な自分」は大脳辺縁系の扁桃体が、「冷静な自分」は前頭前野がその働きを担っていると言われており、トラウマ体験を繰り返すことにより扁桃体の大きさが大きくなることが最近の研究でわかっています。

「心的外傷(トラウマ)ともう一人の自分」

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PTSDなどの心的外傷体験による症状は、本来隠れていた過去のトラウマ体験を乗り越える時に使っていたプログラムが、何らかの切っ掛けでメインプログラムとして表だって働いてしまうことで起こっていると考えられます。その場合、心だけでなく自律神経の交感神経系過緊張状態に伴う身体のストレス反応も一緒にデータベースに記憶されています。

いったん受けたこころの傷の回復が大変なのは、身体のストレス反応がトラウマ情報として学習されてしまい固定化しているためです。この身体の緊張状態を改善することで、こころの傷もよりスムーズに回復していきます。心理臨床の世界でも、応用精神生理学や身体心理学といった領域が近年注目されています。

心と身体の様々な不調が続いている場合、今現在のストレスだけでなく、内在性解離により「もう一人の自分」が体験して記憶されている過去のトラウマによる自律神経系、内分泌系、免疫系のストレス反応の情報に、脳というスーパーコンピューターが間違って反応している場合が多いのではないかと考えています。

内在性解離

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日常での社会生活を送っている限り、誰でも心の中では大なり小なり葛藤状況は起きています。健康な状態では「本当の自分」が中心となり、それぞれのストレスとなるような問題を解決していくことができるのですが、解離という手段で「もう一人の自分」にその解決を任せている限り、「本当の自分」はいつまでも自信が持てず表に出てくることができません。

この「解離」というストレス対処方法は、パソコンで何か問題を処理することに例えると、一つの基本プログラムを中心にして少しずつ改良しながらバージョンアップしていくのではなく、その都度新しいプログラムをインストールして解決しようとしているようなものなので、次第にパソコンの使える容量が減ってしまい対処できなくなってしまいます。

「内在性解離」の状態は、実際に画面上で確認しながら実行しているメインプログラムとは別に、複数の隠れたプログラムが見えない状態(潜在意識下)で働いているようなもので、バッテリーやメモリーがいつの間にか不足して、急に画面が暗くなったりスピードが遅くなったりフリーズしたりする原因となります。

もう一人の自分の存在

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「本当の自分」が小さくなっているとき、日々の生活でのさまざまなストレスを誰が引き受けてくれているのでしょうか。子供の頃に「本当の自分」が耐えることができないぐらいの強いストレスを受けた場合、その状況を乗り切るために、もう一人の自分を無意識に創り出すと言われています。専門的には解離と言われ、生きていくための適応手段でもあります。

しかし解離状態となることで、「もう一人の自分」に辛いストレスを引き受けてもらうということを繰り返していると、いつまでも「本当の自分」がストレスを乗り切る力を身につけることができなくなってしまいます。その都度、新たに「もう一人の自分」を創り出すことで、それぞれの自分毎に心だけでなく身体もさまざまな症状を出すようになります。

日常生活に支障が出るぐらい病的な状態になってしまうと、いわゆる「解離性障害」や「解離性同一性障害」といった診断名がつき、精神科での専門的な治療が必要となります。一方で、表面には出てこないが潜在意識下に存在している何人もの「もう一人の自分」を説明するために、精神科医の小栗康平先生は『内在性解離』という概念を提唱されています。

ストレスと本当の自分

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ストレスは、どうして起こるのでしょうか。自分らしい人生を何も悩まずに歩むことができれば、おそらくストレスはそれほどないでしょう。ところが現実にはそれが難しく、「本当の自分」は抑えて我慢しながら、周りの人の顔色をうかがいながら、嫌だけれども本来の自分とは違う道を歩かざるをえないことが多いわけです。

このような状況下では多くのエネルギーを消耗してしまいます。その結果、こころと身体にさまざまな影響を及ぼすのです。それではどのようにすればストレスが減るのでしょうか。一つは、「本当の自分はいったいどんな人生を歩みたいんだろうか?」と考えて今の生活を見直すことです。

病気や症状で休んでいる時は、「本当の自分は何を求めて、どこに向かって行きたいのか?」ということをじっくりと考えることができる時期でもあるわけです。その中で、忘れていた自分らしさを再発見することができるかもしれません。本当の自分、自分らしい自分を見つけることができれば、エネルギーを必要以上に消耗することもなくなるでしょう。