【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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シロクマの実験

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痛みなどの症状や心身のストレス反応を伴ったトラウマ記憶のデータベースを書き換えることが、慢性疼痛などの根本治療となります。再プログラムの手段としては、脳コンピュータの入力デバイスとしての五感や身体感覚を使って書き換える方法と、思考パターンを変える方法があります。前者については、これまでのブログでご紹介してきましたので、これから後者についても少しお話していきたいと思います。

最初に簡単な思考実験をしてみましょう。誰でも動物園や写真などでシロクマを見たことがあるかと思います。今から1分間、そのシロクマの姿を絶対に思い浮かべないようにしてみてください。・・・いかがでしたか?
おそらくシロクマの姿がまず頭の中にでてきたのではないでしょうか。これは、1987年に米国の心理学者のWegnerが行った「シロクマの実験」内容を、分かりやすく簡単に体験できるよう少し変えたものです。

脳コンピュータは、データ入力された順番に仕事をしていくという特徴があります。望む望まないにかかわらず、最初に考えたことから順番に処理していこうとするので、まずシロクマのイメージが頭の中に浮かび、それを思い浮かべないようにしようと努力することになります。結果的に、頭の中はシロクマだらけになってしまうという矛盾した状況が起こってしまうのです。

慢性の痛み(症状)は心の痛み?

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「この痛み(症状)さえ治ったら・・・」「この痛み(症状)を何とかしたい!」という言葉を患者さんからよく聞きます。特に原因不明の痛み(症状)が長年続いている場合には病院を何カ所も受診し、日常生活にも支障がでて精神的にも不安や落ち込みなどの症状が多くなります。通常の対症療法の診療では、鎮痛薬・抗不安薬・抗うつ薬などの薬物療法が中心のため、患者さんの症状が自然に治まるまで通院し続けることになります。

このような原因不明の長く続いている身体の症状の治療においては、発症要因と持続要因とに分けて考える必要があります。最初に症状が出たときの原因と、その後その症状が持続している原因は異なっています。例えば事故などで怪我をした場合、傷つけられた細胞や炎症部位に集まってくる白血球などの炎症細胞から放出されるさまざまな痛み物質が、侵害受容体と言われる痛みセンサーを刺激することで痛みを感じます。

この初期の急性疼痛は通常は一過性であり、時間と共に炎症も治まり痛みも軽減して治っていきます。ところが、この痛みの体験と同時に怒りや不安・恐怖などのネガティブな強い情動と、それに伴う自律神経系のストレス反応が起こった場合、その心身のストレス反応とセットになったトラウマ記憶として疼痛感覚が脳のデータベースに記録されてしまいます。その結果、慢性疼痛として長期間に渡って痛みが持続することになります。

魔法のスキップ!

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心と筋肉の関係について、イメージと姿勢を使ったセルフチェックの方法をご紹介いたしましたが、姿勢だけでなく身体を動かすことも心の状態に大きな影響を及ぼしています。人間は動物というお話を以前にいたしました。座ってじっとしているよりも、立ち上がり動いている方がより自然な状態なのです。最近では、立った状態でのパソコン作業を推奨する企業も出てきて、それ専用の高い作業デスクも商品化されています。

しかし、現実的には長時間座って仕事をせざるを得ないことの方が多い現代社会においては、短時間でもかまわないので仕事の途中に身体を動かすような工夫を積極的にしていく必要があります。できれば30分に1回は、ほんの1分でもかまわないので仕事を中断し、立ち上がったりストレッチをしたりといった方法で身体を動かしてみましょう。筋緊張がリセットされ気分転換になるため、その後の仕事の効率が上がり疲労度も軽減し易くなります。

子供の頃、誰でもワクワクして楽しい気持ちの時にスキップをしていたかと思います。このスキップをする時の筋肉の動かし方の記憶情報は、その時のポジティブな感情とセットで脳のデータベースに記録されています。そのため大人になった今でも、ほんの一瞬スキップをするだけで何となく楽しい気持ちになってしまいます。このスキップは、短時間で気持ちをリフレッシュしてくれる「魔法の動作」です。トイレや廊下など周囲に誰もいない場所に行って、ほんの10秒ほど手足をできるだけ大きく動かしてスキップして効果を実感してみましょう!

心の状態が筋肉に及ぼす影響のチェック方法

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前回のポジティブとネガティブなイメージを使って、今回は心の状態が身体に及ぼす影響をチェックしてみましょう。この方法は2人で行います。まずチェックを受ける人は、利き腕を真横に真っ直ぐ指先まで伸ばした状態で立ちます。もう一人のチェックする人は相手の真横に真っ直ぐ伸ばされた腕の手のあたりを上から下に向けて押し下げます。腕を横に伸ばしている人は、腕が押し下げられないようできるだけ力を入れて抵抗して頑張ってください。

十分に腕に力を入れて相手の力に負けず頑張れることを確認したら、一旦真横に上げた腕を下ろします。その状態で目を閉じて、まず最初は誰の助けもなく絶望的で気落ちしたイメージを思い浮かべます。十分にイメージできたことを確認してから、先ほどと同じ要領で腕を真横に真っ直ぐ力を入れて伸ばします。その腕をもう一人の人が上から押し下げます。力を入れて腕が下がらないよう抵抗することができたでしょうか?

次に、一旦腕を下ろしてもらい、その状態で楽しくて元気で希望に満ちあふれた時のイメージを思い浮かべてもらいます。十分にイメージが浮かんだことを確認してから、腕を再び真横に真っ直ぐ力を入れて伸ばしてもらい、それを上から相手の人に押し下げてもらいます。そして力を入れて頑張ることができるかどうか確認します。次に同じ手順で、自分がどちらのイメージを浮かべているかは相手に伝えないでお互い試してみて、相手がどちらのイメージを思い浮かべていたかを当ててみましょう。