【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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社会(交流)神経系(Social engagement system)

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人も含めた哺乳動物は、離れた距離から五感を通じて安全を確かめながら相手に次第に近づくことで社会的な交流を持ち、ストレス状況を早期に解決しておくという生存戦略を取っています。そのために必要な身体の反応は、鼓膜の振動を音に変換する中耳の筋肉、声を出すための声帯、食べ物を飲み込む嚥下や味覚、頭を動かすといった頭頚部の筋肉や感覚器官が主役となります。

これらのコミュニケーションに必要な神経システムが、脳神経の中でも有髄神経である腹側迷走神経、三叉神経、顔面神経、舌咽神経、副神経であり、ポージェスは「社会(交流)神経系」という新しい概念で説明しています。哺乳類は生まれてから母乳により育てられます。生まれたばかりの子供が母親からの養育を受けるための生存戦略として、この社会(交流)神経系が重要な役割を果たすことになります。

哺乳類は母親の注意を引き母乳を与えてもらいながら、生きていくための他者との関わり方を学習し成長することで、安全で安心できる環境を集団の中に築き上げているのです。人間の場合も同様で、まずは母子関係から始まり、家族、学校、会社と次第に大きな集団に適応していく中で社会(交流)神経系も成長発達していくことになります。そのため幼小児期の生育環境が、その後の人生の心身の健康状態に大きく影響することになるのです。

社会的交流という生存戦略

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ポリヴェーガル理論によると、ストレス(環境)への反応方法の優先順位は、系統発生学的により新しい自律神経システムから順番に使われます。自律神経系の基本的な役割は、動物が環境に適応しながら生存していくための全自動操縦を24時間休むことなく行うことです。 全ての地球上の生物は共生関係にあり、特に動植物は食物連鎖という宿命から逃れることができず、自律神経も身の安全が最優先課題となります。

進化の過程で最も新しい社会的交流のための神経システムは、群れを作る哺乳類で発達しました。自然界での生存戦略として、哺乳類はお互いにコミュニケーションを取ることで安全で安心できる環境を確保してきたのです。そのために必要な言語や表情、感情のコントロールに関係する脳や筋肉の働きも、それに伴って進化してきたことになります。自律神経においては、有髄の腹側迷走神経が重要な役割を果たしています。

人間社会においても、まず相手を理解しようとすることからコミュニケーションが始まり、必要な情報収集のために五感をフルに動員することになります。そこで、相手が自分にとって安全で安心できる人間であるかを判断する手がかりとなるのが、声の調子や大きさ、表情や仕草、姿勢や行動、服装など身だしなみといった視覚や聴覚からの情報です。さらに嗅覚や味覚も共に食事をするなどの行動や体臭を通じて判断材料となります。最終的には触れるという触覚も使い安全・安心を確認し社会的な繋がりを形作っているのです。