【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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医療におけるエビデンスとは?

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1978年に米国議会技術評価局(OTA)が出したレポートの一つの中で、当時の医療技術の多くが科学的根拠に乏しく、有効性が証明されているものは、わずか10~20%に過ぎないと報告されています。この報告の後から、近代西洋医学の領域で科学的根拠が重視されるようになってきたという経緯があります。

現在、当時よりは有効性が認められている西洋医学の医療技術は増えてはいますが、50%には至っていないようです。例えばウイルスが原因の風邪治療に対する抗生物質の処方など、科学的根拠のない多くの治療が日常的に行われているにもかかわらず、補完代替療法は科学的根拠がないからダメだと言うのは、ダブルスタンダード(二重規範)であり筋が通りません。

手術の方法についても、科学的根拠を厳密に言うならば、昔実際に行っていたプラシーボ(偽)手術(身体を切開して、そのまま何も処置せずに縫合する手術)も実践し比較検討しないと有効性は証明できないことになってしまいます。有効性が証明された研究データがない医療行為は行ってはいけないというのであれば、今の医療制度はとっくの昔に崩壊しているでしょう。

日本の医療はガラパゴス的?

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日本は言葉の壁もあり、日本語で理解できる世界が標準と考えられてしまう傾向があります。これまでご紹介してきたような内容は、日本では一般的にはほとんど知られていません。しかしネットで世界と繋がることができるようになったことで、今後情報が伝わるスピードはもっと速くなるでしょう。

日本は、戦前まではドイツ医学を中心に医療制度を発展させてきました。戦後は米国の医学をお手本としてきたので、米国でのこのような医療の変化もいずれ日本でも広がっていくことでしょう。そうなれば、将来的には健康保険の適用範囲も広がっていく可能性もあるとは思います。

統合医療においては、治療法は何も近代西洋医学で認められている薬物療法や手術に限定しません。鍼灸や気功などの東洋医学やアロマセラピーやヨーガなど、効果があると思われる様々な補完代替療法もその選択肢となります。科学的根拠(エビデンス)についても、米国では安全性さえ確認できれば、補完・代替療法の有効性については現時点でエビデンスがなくても、まず試してみるという考え方が主流となりつつあります。

米国での漢方処方は鍼灸師の資格が必要

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医師はもともと近代西洋医学の教育しか受けてこなかったため、他の補完・代替医療などに対する知識もないので仕方ないのかもしれませんが、理解できないから不安になり、自らを脅かす存在として心理的バリアを作ってしまうのかもしれません。しかし統合医療を国家レベルで推進している米国では、西洋医学の医師が鍼灸の勉強もするようになってきています。

米国では日本と違って漢方薬を西洋医学の医師は処方しません。西洋医学しか勉強していない医師が東洋医学の漢方薬を処方するのは、どう考えても非合理的だし危険でもあるわけです。漢方薬を処方するためには、米国では東洋医学を勉強することができる鍼灸師の州の公的資格を取らなければなりません。

逆に米国の鍼灸師は、州によりますが鍼灸だけでなく漢方薬の勉強もして処方することができるのです。このような理由で、米国で漢方薬を処方する西洋医学の医師は鍼灸治療もできるのです。日本では最近ようやく医学部教育に漢方が取り入れらましたが、実際には東洋医学の知識が全くなくても、医師であれば誰でも漢方薬が処方できる日本とは大きく異なっているのです。

医療の定義

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これまで米国の補完代替医療についてご紹介してきましたが、日本とは異なり国民にとっての医療の選択肢が多く、そこから自分で選ぶことができます。保険制度も日本とは違い、オバマケアができるまでは民間の医療保険が中心で、保険適応となる治療法の中にはカイロプラクティックや鍼灸やバイオフィードバックなどの代替療法も含まれています。

医療問題についての議論が国会や医師会などで行われていますが、その場合の「医療の定義」が実は問題です。世界的には医療と言った場合、その国の伝統医学も含めた「医療多元主義」が主流であるにもかかわらず、日本では医療というのは近代西洋医学だけが唯一信頼できる医療だという「医療一元主義」を採用しているのです。そのため、医療改革が必要だと分かってはいても狭い範囲での議論になってしまい、良い解決策が見つからなくなってしまっているのではないでしょうか。

日本では、国家資格である鍼灸師や柔道整復師やあんまマッサージ師ですら「医業類似行為」と定義されており、医師が行う正統医療とは別次元で議論されてきました。そのため、一人の患者さんを中心に考えて、西洋医学以外の様々な療法の専門家とも連携するということをしてきませんでしたが、近年ようやく統合医療という新しい枠組みの中で、多職種による連携医療が試みられるようになってきました。