【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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心-脳相関

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心臓は小さな脳であるということから、心臓と脳はお互いに密接な情報交換を行っているという「心-脳相関」とでも言うべき考え方が注目されています。これまでもストレス反応として、心拍数が速くなったり血圧が上昇したりという脳から心臓への影響は良く知られていますが、その逆の心拍リズムや心臓で産生されるホルモンが脳に影響を与えるということも起こっていることになります。

以前は、感情は脳の働きということになっていましたが、この「心-脳相関」という観点から、近年脳と心臓がお互いに影響し合いながら感情や思考を創り出していると考えられるようになってきました。心臓の小さな脳は、大脳皮質による思考、推理、随意運動などの高次機能以外の部分で、重要な働きを担っていると言われています。実際、心臓が作り出す脈圧、心音、電磁場のリズムは、身体中の全ての細胞に伝わっています。

このように心臓は身体中の細胞や臓器が、調和を持って健康状態を維持できるように同期させる様々な信号を発信しているのです。これらの信号の中で、電磁波は瞬時に、神経系の信号は8ミリ秒後に、血圧の信号は240ミリ秒後に脳に到達しています。同様のことが脳以外の身体中の細胞にも起こっています。丁度、多くの楽器が素晴らしい音楽を奏でるオーケストラの指揮者のような役割を、心臓は担っていると言えるでしょう。

心臓は小さな脳

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神経心臓学を専門としているカナダのモントリオール大学名誉教授で、米国カリフォルニア州立大学(UCLA)医学部非常勤教授のアンドリュー・アーマー博士(J. Andrew Armour, M.D., Ph.D.)によると、心臓には約4万個のニューロンから成る、解剖生理学的に脳と同じ神経構造Heart Brain(心臓脳)が存在しているとのことです。この心臓脳は、大脳とは関係なく学習、記憶、決定、知覚などの働きを独自にしているということがわかっています。

脳からの自律神経の交感・副交感神経による心臓への信号と、血圧、心拍数、心拍リズム、ホルモンを感知する心臓から脳への感覚神経ニューロンの信号の両方が心臓の内在神経系には存在しており、脳から心臓へ送られる情報量より、心臓から脳へ送られる情報量の方がはるかに多いということがわかっています。また、内在心臓神経系には、脳からの信号とは無関係に働く長期と短期の記憶機能もあると言われています。

また、心臓でストレスホルモンの分泌を抑制する心房性ペプチドというホルモンが作られているということが1983年に発見され、心臓は循環器系だけでなく内分泌系臓器にも分類されるようになりました。その後の研究で、脳と神経節だけで作られていると考えられていたカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン)や、愛情ホルモンとして近年注目されているオキシトシンも心臓でも産生されていることが明らかになっています。

ハート❤呼吸でストレスを解消

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心拍変動バイオフィードバックのもう一つの方法として、呼吸と同時にポジティブな感情を意識するコヒーレンス法(Quick Coherence Technique)があります。これは、米国のハートマス研究所のエムウェーブという心拍変動バイオフィードバック装置を使ったメンタルトレーニング法で、ハート呼吸(Heart Breathing)という胸の心臓(ハート♡)の辺りを呼吸による空気が通過するイメージを用います。

ひと呼吸約10秒前後のゆっくりとした呼吸に合わせて、ハート♡の辺りを空気が流れていくイメージと同時にポジティブな感情を思い浮かべるようにします。「感謝」「思いやり」「愛」など自分にとって大切な特別な人や動物への気持ちや、ワクワクした楽しい気持ちなどを、その場面をイメージしながら感じるようにします。そうすることで、不規則だった心拍リズムが一貫性のある安定した状態(コヒーレンス状態)に変化します。

心拍が安定したリズムに変化することで、自律神経を介して内分泌(ホルモン)や免疫の働きにも影響を及ぼし、心と身体を最適な健康状態に導いてくれます。このコヒーレンス法を毎日練習することで、ハート呼吸とポジティブな感情を条件付けすることができます。その結果、日常のストレス場面でもハートに意識を向けるだけで、瞬時に気持ちを切り替えることができるようになります。

心拍変動と共振呼吸数

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リラックス状態では呼吸に合わせて心拍数が変化しますが、この変化量が大きいほど環境への適応力が高いと言えます。例えば心拍数が呼気時には60回/分まで下がり吸気時には90回/分にまで上がる場合、30回/分の幅で心拍数を変化させることができるということになります。これは、車でいうならアクセルを踏み込めば時速180kmまでスピードが出て坂道も難なく上ることができ、信号待ちではエンジンの回転数を十分下げることができるということになります。

一方、心拍変動の幅が70~80回/分と1分間に10回程度しか変化しない場合は、アクセルを踏み込んでも時速100km程度で坂道を上ることはできず、信号待ちでもアクセルを踏み込んだ空ぶかし状態のようなものです。このように、運動や仕事中は必要とするエネルギー量は増えるため心拍数や血圧を上げ、夜間や休息時にはエネルギーを再生するために必要以上にエネルギーを消耗しないように自動的に調整されています。

この心拍変動の幅は加齢と共に減少していきます。また、ストレス状態が続いている時には幅が少なくて一定しない不安定な変動になってしまいます。この心拍変動の幅が最も大きくなる呼吸数は、1分間に6回前後で共振呼吸数(Resonance Frequency)と言われ、心拍変動バイオフィードバックではこの共振呼吸数を自分自身で見つけて安静時にはこの呼吸パターンが習慣化するようトレーニングしていくのです。

呼吸法と心拍変動バイオフィードバック

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緊張している時に大きく深呼吸をすると気持ちが落ち着くという経験は誰でもあるかと思います。これは、リラックスモードの副交感神経が働くことによります。息を吸う時には交感神経系優位となり心拍は速くなり、息を吐く時には副交感神経系優位となるため心拍は遅くなります。この呼吸性の心拍変動は生理的な変化で、安静状態でゆっくりとした呼吸(特に腹式呼吸)をしている時に認められます。

この心拍変動を使ったバイオフィードバックは、呼吸法の練習として用いられています。指先や耳たぶで脈波を測定することで自分の心拍変動をリアルタイムでモニターし、ゆっくりと腹式呼吸をしながら一貫性のある振れ幅の大きい心拍変動となるようトレーニングします。PCやタブレット端末を使った心拍変動バイオフィードバック装置もありますが、最近ではスマホのカメラとフラッシュライトで指先の脈波を測定するアプリもあります。

臨床的には、一貫性(コヒーレンス)があり大きく変動(共振)している心拍変動パターンであれば、自律神経バランスが良好で様々な症状や病状の改善に有効であるという多くの研究報告があります。また、ストレスに対する抵抗力(レジリエンス)を高めることができるため、アスリートのメンタルトレーニングにも用いられています。環境への柔軟な心身の適応能力を高めるトレーニング法として、今後さらに広がっていくことでしょう。

呼吸とストレス

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普段意識することなく自然に呼吸をしているのですが、その呼吸の深さや速さは自律神経系で自動的に調整されています。通常安静時の呼吸数は、健康成人で1分間に約12~20回(高齢者:約10~30回)ですが、ストレス時には一瞬止まってしまったり速くなったりと変化します。「息を呑む」「息を潜める」といった文字通りに、心の状態で呼吸パターンが変わってしまうのです。

この呼吸パターンの変化は通常は無意識に起こっており、短期間でそのストレス状況が終わってしまう場合には、その変化に気付くことなく元の安静状態に自然に戻ります。一般的に、不安やストレスを感じている時には浅くて速い呼吸パターンになります。また何かに集中している最中には、ほとんど息をしていないこともあります。これらの変化が長期間続くと、呼吸パターンもその状態をいつまでも持続してしまいます。

内臓の働きは自律神経系で自動制御されているので通常は自分でコントロールすることはできません。しかし呼吸だけは例外で自分でも変化させることができます。これは、胃腸・血管・子宮(平滑筋)や心臓(心筋)など内臓の筋肉と異なり、呼吸は身体を動かしたり姿勢を維持したりする骨格筋(呼吸筋群)の働きだからです。そのため、同じ呼吸パターンが長期間続くことで、スポーツや習い事と同様に呼吸筋群はその動きを 学習してしまうのです。

筋電図バイオフィードバック

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無意識に筋緊張状態になっている場合、自分自身では筋肉に力が入っていることがわかっていません。そのため一日中その状態が続いたり、特定の条件下で筋肉の過緊張が繰り返し起こったりしてしまいます。この無意識下の学習された不適切な筋緊張状態に気付くことで、この状態を改善することができます。筋電図バイオフィードバックは、自分の筋緊張状態を確認しながら自己制御できるようにトレーニングしていく方法です。

臨床応用としては、筋緊張が原因となっている症状や病気(肩こり、緊張型頭痛、痙性斜頚、書痙、便秘など)、筋弛緩状態が原因となっている症状や病気(尿・便失禁、脳血管障害後の麻痺など)、リラクセーション法、スポーツ選手のパフォーマンストレーニングなどがあります。欧米では、理学療法士によるリハビリテーションや看護師による失禁治療として、ポータブルタイプの筋電図バイオフィードバック装置が使用されています。

また、自分自身の身体への気づきを促す手段としても筋電図バイオフィードバックは効果的です。無意識の筋緊張に気付くということ以外にも、ほんの少しだけ力を入れたつもりでも実際には筋肉に力が入りすぎているということを確認することで、筋緊張状態と自分の感覚を一致させていく練習もできます。漸進的筋弛緩法と筋電図バイオフィードバックを組み合わせると、さらに効果的なリラクセーションも可能となります。

筋緊張とストレス

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ストレスによる身体の反応の一つとして筋緊張があります。突然の地震や大きな爆発音などで驚いた時に、誰でも一瞬「首をすくめる」という状態になります。実際その瞬間には、両肩を上げ首を身体に押しつけ背中を丸める姿勢を反射的にしています。これは急所である頚部を守るための正常な反応で誰にでも起こります。この時、肩と頚部の筋肉は瞬時に緊張した状態になっています。

自然界におけるストレス状況では、このようなストレス反応は短時間で終わってしまうことが多いので、身体の自律神経システムもすぐに回復することができ筋緊張が持続することもありません。ところが人間の世界では、自然界のような今この瞬間のストレスだけではなく、頭の中で考えている過去や未来の出来事に対してもストレス反応を起こしてしまうため、いつまでも筋緊張が続くということが起こってしまうのです。

スポーツのトレーニングと同じように、毎日同じ筋肉の使い方を繰り返すことで脳はそのパターンを学習してしまします。ストレスだけでなく、身体の姿勢や動かし方も毎日繰り返すことにより筋緊張状態が持続してしまい、その結果として肩こりや緊張型頭痛などのさまざまな症状が引き起こされます。このように、人間社会では無意識に心身が緊張してしまうことが多く、意識的に緊張を緩める習慣を身につけることが重要となります。

SC(皮膚コンダクタンス)バイオフィードバック

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ストレスに対する皮膚温の変化が緩やかなのに対して、手の汗を間接的に評価する皮膚コンダクタンス(SC)は交感神経の働きにより数秒単位で即時に変化します。そのため、交感神経の過緊張状態をリアルタイムでセルフコントロールするためのバイオフィードバックトレーニングとして応用されています。SC測定結果を瞬時に知ることで、ストレス・覚醒レベル・感情の状態を自らコントロールできるようになるのです。

臨床応用としては、不安・緊張・過覚醒の軽減、本態性高血圧や過敏性腸症候群などのストレス関連疾患(心身症)、多汗症、ADHD、乗り物酔いなどの交感神経過緊張状態が影響している症状や病気において有効性が報告されています。また、リラクセーション法や他の心理療法と組み合わせることで、身体感覚への気づきを促し治療効果を高めることもできます。

また、スポーツ選手のメンタルトレーニングとしてもSCバイオフィードバックは以前より用いられています。音のフィードバックを使ったポータブルのSCバイオフィードバックトレーニング装置(GSR2)は、私が大学生の時に初めて購入したBF装置で、約40年昔から全く同じ卵型デザインの商品が販売されています。現在もネットで購入でき、小型で携帯できるためアスリートのトレーニングツールとしても最適です。

手の汗とストレス

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緊張すると、“手に汗を握る”という言葉通り手掌発汗が起こります。これは自律神経の交感神経の働きで、ストレスに対する自然な正常反応として手掌と足底でみられます。何故手に汗をかくのかという理由は、闘うか逃げるかといった自然界でのストレス状況下では、木によじ登ったり武器を手にしたりすることが多く、その時に手掌や足底が乾いていると滑ってしまい、しっかりと握ることができないからと言われています。

発汗には温熱性発汗、精神性発汗、味覚性発汗の3種類があります。この中でストレスの影響を受けるのが精神性発汗です。この時の発汗量を間接的に測定する方法として皮膚電気活動があり、刺激から約2秒後に反応が始まります。警察で使われるポリグラフ(うそ発見器)でも皮膚電気活動は測定され、精神的な動揺を示す身体の生理学的指標として評価されています。

皮膚電気活動は、昔GSR(galvanic skin reflex)と言われていましたが現在はこの表現は使われず、皮膚コンダクタンス(skin conductance change: SCC)が測定されることが多いためSCとも言われます。ストレス刺激で生じた手掌の発汗に伴う電気的変化は通常は数分以内に回復していきます。しかし緊張が強いと、さらに発汗が促され回復に時間がかかってしまったり、逆にストレス刺激に全く反応しないこともあります。