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防御のための第2の選択肢:闘争・逃走反応

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社会(交流)神経系による最初の生存戦略が上手くいかなかった場合、二番目の交感神経系による防衛反応の出番となります。脳の中では警報アラームが鳴り、心と身体は身を守るための臨戦態勢の準備を始めます。危険を早期にキャッチするため過覚醒による感覚過敏状態となり、不安・緊張感を高めることで絶えず周囲を警戒し始めます。いざという時に瞬時に行動することができるように、交感神経系が働き身を守るための準備をするのです。

1929年にキャノンにより初めて提唱された「闘争・逃走反応fight and flight」という交感神経の過緊張状態により、心拍数を増やし血圧を上げ闘ったり逃げたりするために必要なエネルギーを筋肉や脳に供給することになります。同時に副腎からストレスホルモンのコルチゾールやアドレナリンなどが分泌され、血糖値を上げストレス状況から身を守るために必要なエネルギーの材料を補給します。

自然界の動物における「闘争・逃走反応」は、ほとんどの場合短時間で終わります。無事身を守ることができれば交感神経系優位の防衛反応は終了し、消耗したエネルギーを再生するために副交感神経優位の状態に切り替わり、再びゆっくりと休んだり熟睡したりすることができるようになるのです。しかし人間の場合は大脳皮質の発達により過去を思い出したり未来を心配したりすることができるため、いつまでも交感神経系優位な状態が続いてしまいます。