言葉が原因でうつになる
natural-blog, · カテゴリー: 未分類言葉で実際に病気になってしまった患者さんの例をご紹介したいと思います。会社勤務の女性で、うつ病ということで精神科クリニックに数カ月間通院してお薬を飲まれていたのですが、一向に良くならないということで来院されました。その患者さんは、職場の隣の席に座っている同僚が、上司からパワハラ的な暴言や叱責をいつも受けているのを横で聞いていただけで、ご本人自身は上司との関係は問題なかったとのことでした。
上司の同僚への暴言が始まって半年ぐらい経った頃から、不眠や抑うつ気分、食欲不振などのうつ症状がみられるようになり、メンタルクリニックを受診しうつ病と診断されお薬を処方されたようです。多少症状がましになったような感じはあったようですが、出勤するとしんどくなるということが続き、やがて朝起きることもできなくなってしまいました。
その患者さんの場合、子供の頃に父親から暴言や暴力を受けていたとのことで、その時に学習された自律神経系などのストレス反応プログラムが、上司の暴言を聞き続けたことで再び起動したと考えられます。PTSDやトラウマ体験なども、脳のコンピューターが自分でも気づかないキーワードを入力された瞬間に、データベースに記録されている過去の体験や情動といった情報が自動的に引き出されてしまう現象と言えるでしょう。