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迷走神経パラドックス

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不随の背側迷走神経は、副交感神経として主に横隔膜より下の腹腔内の消化管などの内臓の働きを制御しており、一部は横隔膜より上の胸腔内の心臓や気管支にも分布しています。動物が極度のストレスを感じた時に脱糞する現象は、この無髄の背側迷走神経の働きにより腸の動きが亢進することによります。人間においても、この背側迷走神経の過活動による消化管機能亢進状態となり下痢や腹痛を起こすと考えられます。

通常は、防御反応として無髄の背側迷走神経による不動化システムが働かないのは、第一段階の社会交流神経系の有髄の腹側迷走神経が主に働くことによると言われています。その場合、背側迷走神経はいわゆる副交感神経として一般的な内臓の制御を行うことになります。すなわち、背側迷走神経には不動化と副交感神経の2通りの働きを持っており、社会交流神経系が上手く機能しないと不動化が起こりやすくなるのです。

このポリヴェーガル理論による考え方は、これまでよく分からなかった迷走神経パラドックスという現象を説明することができます。従来の考え方では、迷走神経は副交感神経系としての1種類だけであり、社会的交流の中で交感神経系の働きに対してブレーキをかけ代謝の需要を減らし、「健康」「成長」「回復」を促す役割を担っているとされていました。しかし現実には、「不動(失神)」「徐脈」「無呼吸」といった生存にとって非常にリスクを伴う反応にも迷走神経はかかわっており、この相反する矛盾は解明されていませんでした。