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良い不動化反応とオキシトシン

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「社会交流(腹側迷走神経他)」「可動化(交感神経)」「不動化(背側迷走神経)」の3つのシステムは実際には同時に働いており、その時々の状況に適応できるよう行動や感情を調整していると考えられています。例えば、皆で楽しく遊んだりスポーツをしたりしている状況は、社会交流神経系が十分働いている時の可動化状態と言えます。逆に社会交流神経系が機能していない状況での可動化は、対人緊張やケンカが起こりやすくなります。

また、社会交流神経系が十分働いている時の不動化は、安全で安心できる状況でじっと動かないでいることができる状態と言えます。例えば、お互いに寄り添ったり、抱きしめ合ったりしている時や、出産・授乳時などの不動状態は、良い意味での不動化が起こっているのです。生命の危機的状況下ではシャットダウンという防衛戦略として機能する背側迷走神経は、親密な関係や生殖、母性などにおいても重要な役割を果たしています。

不動化の背側迷走神経を調整している脳幹の迷走神経背側運動核にはオキシトシン受容体があり、安全で安心できる状況では社会的絆や愛着と関係しているオキシトシンが分泌されることで、背側迷走神経は恐怖のない「良い」不動化反応を起こしているとポージェス博士は考えています。ちなみに、オキシトシン研究の第一人者であるスー・カーター博士は、ポージェス博士の共同研究者であると同時に妻でもあります。