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ヴェーガル・ブレーキ

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迷走神経は一本の神経ではなく、脳から内臓器官に向かう遠心性線維(運動線維)と、内臓器官から脳幹に入ってくる求心性線維(感覚繊維)の束が詰まっている導管と言えます。この迷走神経を構成している線維の約80%が脳幹の孤束核に終わる感覚線維で占められています。残りの約20%が運動線維で、その6分の1が有髄線維であり、脳幹の疑核から始まり横隔膜より上の心臓などの臓器に分布しています。(横隔膜上迷走神経)

運動線維の6分の5は無髄で、背側運動核から始まり横隔膜より下の胃腸などの臓器に分布しています。このようにポリヴェーガル理論においては、迷走神経は3つのタイプの神経線維から成り立ち、その時々の状況に合わせてどのような反応をするのか身体が無意識に判断しているのです。この中でも有髄の腹側迷走神経は心拍数の制御においてヴェーガル・ブレーキとして重要な働きをしています。

心臓は洞房結節というペースメーカーにより1分間に約90回の自発的な収縮を繰り返しています。安静時心拍数が1分間に約60回というのは、有髄の迷走神経によるヴェーガル・ブレーキが心拍数を20~30回減らしていることによります。オートマティック車が停止しているとき、アクセルを踏まなくてもブレーキを緩めるだけで動き出すのと同じで、通常は微調整が難しい交感神経というアクセルを踏まなくても、腹側迷走神経によるヴェーガル・ブレーキを緩めるだけで、日常生活に必要な可動化の微細なコントロールができるのです。