【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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タッチ(触れること)による情報交換

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心臓から発する電磁場が離れている人にも伝わっているということは、触れている時にはもっと強く伝わっていることになります。このことについては、McCrathyらが1998年に報告した研究があります。この実験では、1メートル20センチ離れて座った2人の被験者の脳波と心電図を同時に測定しながら、10分間の安静状態の後に5分間お互いの手で握手する状態で両者の心電図と脳波の変化を比較検討しています。

この実験では、右手で握手した時が相手の左右どちらの手と握手しても、自分の脳波に相手の心電図の影響が最も強く出たとのことです。左手の場合は右手に比べて相手の心電図の影響が小さくなり、相手も左手の場合は最も心電図の影響が弱いか測定不可能だったと報告しています。また、ラテックスのゴム手袋をして握手した場合は反応の強さが約10分の1に減り、逆に電極用ジェルを塗った場合の変化はなかったようです。

離れている時は心拍動が生じる弱い電磁場を介しての影響が主となるのに対して、直接触れている時には心筋の収縮による電気的な情報伝搬が主となるため、より強い信号として相手に伝わっていると考えられます。タッチやマッサージなど触れるという行為は、社会的な繋がりを促すオキシトシンの分泌を促すと言われていますが、一貫性のある安定した心拍変動リズムも重要な役割を果たしているのかもしれません。