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心臓は小さな脳

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神経心臓学を専門としているカナダのモントリオール大学名誉教授で、米国カリフォルニア州立大学(UCLA)医学部非常勤教授のアンドリュー・アーマー博士(J. Andrew Armour, M.D., Ph.D.)によると、心臓には約4万個のニューロンから成る、解剖生理学的に脳と同じ神経構造Heart Brain(心臓脳)が存在しているとのことです。この心臓脳は、大脳とは関係なく学習、記憶、決定、知覚などの働きを独自にしているということがわかっています。

脳からの自律神経の交感・副交感神経による心臓への信号と、血圧、心拍数、心拍リズム、ホルモンを感知する心臓から脳への感覚神経ニューロンの信号の両方が心臓の内在神経系には存在しており、脳から心臓へ送られる情報量より、心臓から脳へ送られる情報量の方がはるかに多いということがわかっています。また、内在心臓神経系には、脳からの信号とは無関係に働く長期と短期の記憶機能もあると言われています。

また、心臓でストレスホルモンの分泌を抑制する心房性ペプチドというホルモンが作られているということが1983年に発見され、心臓は循環器系だけでなく内分泌系臓器にも分類されるようになりました。その後の研究で、脳と神経節だけで作られていると考えられていたカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン)や、愛情ホルモンとして近年注目されているオキシトシンも心臓でも産生されていることが明らかになっています。