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呼吸法と心拍変動バイオフィードバック

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緊張している時に大きく深呼吸をすると気持ちが落ち着くという経験は誰でもあるかと思います。これは、リラックスモードの副交感神経が働くことによります。息を吸う時には交感神経系優位となり心拍は速くなり、息を吐く時には副交感神経系優位となるため心拍は遅くなります。この呼吸性の心拍変動は生理的な変化で、安静状態でゆっくりとした呼吸(特に腹式呼吸)をしている時に認められます。

この心拍変動を使ったバイオフィードバックは、呼吸法の練習として用いられています。指先や耳たぶで脈波を測定することで自分の心拍変動をリアルタイムでモニターし、ゆっくりと腹式呼吸をしながら一貫性のある振れ幅の大きい心拍変動となるようトレーニングします。PCやタブレット端末を使った心拍変動バイオフィードバック装置もありますが、最近ではスマホのカメラとフラッシュライトで指先の脈波を測定するアプリもあります。

臨床的には、一貫性(コヒーレンス)があり大きく変動(共振)している心拍変動パターンであれば、自律神経バランスが良好で様々な症状や病状の改善に有効であるという多くの研究報告があります。また、ストレスに対する抵抗力(レジリエンス)を高めることができるため、アスリートのメンタルトレーニングにも用いられています。環境への柔軟な心身の適応能力を高めるトレーニング法として、今後さらに広がっていくことでしょう。