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皮膚温バイオフィードバック

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自律神経の働きで末梢血流量が増減し、その結果皮膚温が変化するということを利用した皮膚温バイオフィードバックという方法があります。これは指先などの皮膚温を測定しながら、自分自身でその温度を自由に上げ下げできるようにトレーニングすることで、症状緩和やリラクセーションを促す方法です。1960年代に米国のメニンガー研究所のエルマー・グリーン博士らにより、ヨーガや自律訓練法などを取り入れながら実験が繰り返されたのが始まりと言われています。

グリーン博士らはインドのヨーガ行者が、温度差が5.5℃になるまで手掌の皮膚温を上昇させると同時に手背の皮膚温を低下させることができることを1977年に報告しています。また、エリック・ペパー博士らは誘導イメージを使った皮膚温バイオフィードバック訓練で、平均3℃末梢皮膚温を上昇させることができたと2003年に報告しています。その他にも外傷後の治癒プロセスが皮膚温バイオフィードバックで局所の血流量を増やすことで促されたという研究報告もあります。

臨床応用としては、リラクセーションの一技法としてだけでなく、末梢血管を直接拡張させることで頭痛・関節炎の疼痛・糖尿病による足の潰瘍・月経困難症・高血圧・レイノー病など、さまざまな症状や病態を自ら改善させることができたという数多くの研究結果が報告されています。皮膚温バイオフィードバックは、認知行動療法、誘導イメージ法、催眠、瞑想、自律訓練法など他の心理療法やリラクセーション法と組み合わせて行うことが一般的で、それにより相乗効果を上げることができます。