【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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安全で安心できる世界

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環境に適応しながら地球上で生存していくための全自動操縦システムが自律神経系・内分泌系・免疫系といった調整系であり、相互に影響を及ぼし合いながら機能しています。この中でも自律神経系は学習するという神経細胞の性質があるため、どのような環境で育ち生活してきたかということが、今現在の自律神経の働きに大きく影響しています。この学習は生まれた瞬間からスタートするので、子供の頃の環境が重要となります。

人が認識する「世界」の範囲は年齢と共に大きく広がっていきます。生後間もない乳児にとっては、「世界」は眼前の人の顔や景色や音などであり自分自身で選択することはできません。その後成長していく過程においても、子供の間は「世界」は自宅や幼稚園や学校といった限られた場所での体験が中心となります。自律神経系も、その時々の環境に適応するべく学習しながら発達してきます。

両親からの絶対的信頼感を感じることで形成されるベーシックトラスト(基本的信頼)は、「世界」は安全で安心できると感じることで安定した自律神経系の発達を促します。しかし、両親の不仲や暴言・暴力などが日常である環境の中では、「世界」は危険で怖い場所であり、身を守るために絶えず緊張状態を維持しなければならないと脳が判断し、自律神経系も「闘うか逃げるか」といった交感神経優位な状態を学習してしまいます。