プラシーボ手術
natural-blog, · カテゴリー: 未分類昔は手術についてもプラシーボ手術(偽手術)と比較するという研究手法が用いられていました。狭心症患者さんの心筋への血流量を増やす手術、脊椎の圧迫骨折の椎骨形成術、膝関節の半月板損傷における内視鏡下軟骨切除術などの手術において、実際にメスで身体を開くが何も処置せず閉じたり、手術のふりをするだけだったり、内視鏡で確認はするが病変部位を除去せず終わったりするプラシーボ手術が行われていました。
いずれの場合も、実際に治療としての手術が行われていなかったにもかかわらず、症状が改善したり治ったりするという患者さんの割合が、実際に手術を行った患者さんの結果と大差はありませんでした。手術の研究においては、患者さんには偽手術だということを言わずに行うため、患者さんをだましていることになり、倫理上問題が大きいということで最近は行われなくなっています。
手術以外にも、飲み薬と注射薬と比べた場合、プラシーボ効果は注射の方がより高いという研究や、より高価な偽薬の方が効果も高くなるという研究などもあり、治療による負担が大きい方がより期待感も高くなり、結果的にプラシーボ効果もより大きくなるのではと言われています。