【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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偽薬を使った研究の落とし穴

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無作為二重盲検法による薬の実際の効果の検証においては、それに参加する患者さんにも本物と偽物の2種類の薬が混ざっているということが最初に説明されます。そのどちらを自分が飲むかは、医師も患者さんもわからないということで、薬の効果が客観的に判定できるということになっています。

しかしこれでは、本当の意味でのプラシーボ効果は正確に判定できないのです。すなわち、患者さんはもしかしたら偽薬を自分が飲んでいるかもしれないという疑いの思いを持つ可能性もあり、そうなると心から信じ込んで飲んだ場合に比べてプラシーボ効果の結果が低く出てしまうことになります。

それでは、どうやって患者さんは本物の薬と偽薬を区別することができるのでしょうか。それまでに他の抗うつ剤を飲んだことがある患者さんは、その副作用としての眠気や倦怠感などを経験しています。もし飲んだ治験用の錠剤が偽薬の場合、副作用を感じないということで偽薬と疑ってしまう可能性があるのです。