【薬に頼らない治療】ナチュラル心療内科のブログ

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呼吸法と心拍変動バイオフィードバック

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緊張している時に大きく深呼吸をすると気持ちが落ち着くという経験は誰でもあるかと思います。これは、リラックスモードの副交感神経が働くことによります。息を吸う時には交感神経系優位となり心拍は速くなり、息を吐く時には副交感神経系優位となるため心拍は遅くなります。この呼吸性の心拍変動は生理的な変化で、安静状態でゆっくりとした呼吸(特に腹式呼吸)をしている時に認められます。

この心拍変動を使ったバイオフィードバックは、呼吸法の練習として用いられています。指先や耳たぶで脈波を測定することで自分の心拍変動をリアルタイムでモニターし、ゆっくりと腹式呼吸をしながら一貫性のある振れ幅の大きい心拍変動となるようトレーニングします。PCやタブレット端末を使った心拍変動バイオフィードバック装置もありますが、最近ではスマホのカメラとフラッシュライトで指先の脈波を測定するアプリもあります。

臨床的には、一貫性(コヒーレンス)があり大きく変動(共振)している心拍変動パターンであれば、自律神経バランスが良好で様々な症状や病状の改善に有効であるという多くの研究報告があります。また、ストレスに対する抵抗力(レジリエンス)を高めることができるため、アスリートのメンタルトレーニングにも用いられています。環境への柔軟な心身の適応能力を高めるトレーニング法として、今後さらに広がっていくことでしょう。

呼吸とストレス

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普段意識することなく自然に呼吸をしているのですが、その呼吸の深さや速さは自律神経系で自動的に調整されています。通常安静時の呼吸数は、健康成人で1分間に約12~20回(高齢者:約10~30回)ですが、ストレス時には一瞬止まってしまったり速くなったりと変化します。「息を呑む」「息を潜める」といった文字通りに、心の状態で呼吸パターンが変わってしまうのです。

この呼吸パターンの変化は通常は無意識に起こっており、短期間でそのストレス状況が終わってしまう場合には、その変化に気付くことなく元の安静状態に自然に戻ります。一般的に、不安やストレスを感じている時には浅くて速い呼吸パターンになります。また何かに集中している最中には、ほとんど息をしていないこともあります。これらの変化が長期間続くと、呼吸パターンもその状態をいつまでも持続してしまいます。

内臓の働きは自律神経系で自動制御されているので通常は自分でコントロールすることはできません。しかし呼吸だけは例外で自分でも変化させることができます。これは、胃腸・血管・子宮(平滑筋)や心臓(心筋)など内臓の筋肉と異なり、呼吸は身体を動かしたり姿勢を維持したりする骨格筋(呼吸筋群)の働きだからです。そのため、同じ呼吸パターンが長期間続くことで、スポーツや習い事と同様に呼吸筋群はその動きを 学習してしまうのです。

筋電図バイオフィードバック

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無意識に筋緊張状態になっている場合、自分自身では筋肉に力が入っていることがわかっていません。そのため一日中その状態が続いたり、特定の条件下で筋肉の過緊張が繰り返し起こったりしてしまいます。この無意識下の学習された不適切な筋緊張状態に気付くことで、この状態を改善することができます。筋電図バイオフィードバックは、自分の筋緊張状態を確認しながら自己制御できるようにトレーニングしていく方法です。

臨床応用としては、筋緊張が原因となっている症状や病気(肩こり、緊張型頭痛、痙性斜頚、書痙、便秘など)、筋弛緩状態が原因となっている症状や病気(尿・便失禁、脳血管障害後の麻痺など)、リラクセーション法、スポーツ選手のパフォーマンストレーニングなどがあります。欧米では、理学療法士によるリハビリテーションや看護師による失禁治療として、ポータブルタイプの筋電図バイオフィードバック装置が使用されています。

また、自分自身の身体への気づきを促す手段としても筋電図バイオフィードバックは効果的です。無意識の筋緊張に気付くということ以外にも、ほんの少しだけ力を入れたつもりでも実際には筋肉に力が入りすぎているということを確認することで、筋緊張状態と自分の感覚を一致させていく練習もできます。漸進的筋弛緩法と筋電図バイオフィードバックを組み合わせると、さらに効果的なリラクセーションも可能となります。

筋緊張とストレス

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ストレスによる身体の反応の一つとして筋緊張があります。突然の地震や大きな爆発音などで驚いた時に、誰でも一瞬「首をすくめる」という状態になります。実際その瞬間には、両肩を上げ首を身体に押しつけ背中を丸める姿勢を反射的にしています。これは急所である頚部を守るための正常な反応で誰にでも起こります。この時、肩と頚部の筋肉は瞬時に緊張した状態になっています。

自然界におけるストレス状況では、このようなストレス反応は短時間で終わってしまうことが多いので、身体の自律神経システムもすぐに回復することができ筋緊張が持続することもありません。ところが人間の世界では、自然界のような今この瞬間のストレスだけではなく、頭の中で考えている過去や未来の出来事に対してもストレス反応を起こしてしまうため、いつまでも筋緊張が続くということが起こってしまうのです。

スポーツのトレーニングと同じように、毎日同じ筋肉の使い方を繰り返すことで脳はそのパターンを学習してしまします。ストレスだけでなく、身体の姿勢や動かし方も毎日繰り返すことにより筋緊張状態が持続してしまい、その結果として肩こりや緊張型頭痛などのさまざまな症状が引き起こされます。このように、人間社会では無意識に心身が緊張してしまうことが多く、意識的に緊張を緩める習慣を身につけることが重要となります。

SC(皮膚コンダクタンス)バイオフィードバック

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ストレスに対する皮膚温の変化が緩やかなのに対して、手の汗を間接的に評価する皮膚コンダクタンス(SC)は交感神経の働きにより数秒単位で即時に変化します。そのため、交感神経の過緊張状態をリアルタイムでセルフコントロールするためのバイオフィードバックトレーニングとして応用されています。SC測定結果を瞬時に知ることで、ストレス・覚醒レベル・感情の状態を自らコントロールできるようになるのです。

臨床応用としては、不安・緊張・過覚醒の軽減、本態性高血圧や過敏性腸症候群などのストレス関連疾患(心身症)、多汗症、ADHD、乗り物酔いなどの交感神経過緊張状態が影響している症状や病気において有効性が報告されています。また、リラクセーション法や他の心理療法と組み合わせることで、身体感覚への気づきを促し治療効果を高めることもできます。

また、スポーツ選手のメンタルトレーニングとしてもSCバイオフィードバックは以前より用いられています。音のフィードバックを使ったポータブルのSCバイオフィードバックトレーニング装置(GSR2)は、私が大学生の時に初めて購入したBF装置で、約40年昔から全く同じ卵型デザインの商品が販売されています。現在もネットで購入でき、小型で携帯できるためアスリートのトレーニングツールとしても最適です。

手の汗とストレス

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緊張すると、“手に汗を握る”という言葉通り手掌発汗が起こります。これは自律神経の交感神経の働きで、ストレスに対する自然な正常反応として手掌と足底でみられます。何故手に汗をかくのかという理由は、闘うか逃げるかといった自然界でのストレス状況下では、木によじ登ったり武器を手にしたりすることが多く、その時に手掌や足底が乾いていると滑ってしまい、しっかりと握ることができないからと言われています。

発汗には温熱性発汗、精神性発汗、味覚性発汗の3種類があります。この中でストレスの影響を受けるのが精神性発汗です。この時の発汗量を間接的に測定する方法として皮膚電気活動があり、刺激から約2秒後に反応が始まります。警察で使われるポリグラフ(うそ発見器)でも皮膚電気活動は測定され、精神的な動揺を示す身体の生理学的指標として評価されています。

皮膚電気活動は、昔GSR(galvanic skin reflex)と言われていましたが現在はこの表現は使われず、皮膚コンダクタンス(skin conductance change: SCC)が測定されることが多いためSCとも言われます。ストレス刺激で生じた手掌の発汗に伴う電気的変化は通常は数分以内に回復していきます。しかし緊張が強いと、さらに発汗が促され回復に時間がかかってしまったり、逆にストレス刺激に全く反応しないこともあります。

皮膚温バイオフィードバック

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自律神経の働きで末梢血流量が増減し、その結果皮膚温が変化するということを利用した皮膚温バイオフィードバックという方法があります。これは指先などの皮膚温を測定しながら、自分自身でその温度を自由に上げ下げできるようにトレーニングすることで、症状緩和やリラクセーションを促す方法です。1960年代に米国のメニンガー研究所のエルマー・グリーン博士らにより、ヨーガや自律訓練法などを取り入れながら実験が繰り返されたのが始まりと言われています。

グリーン博士らはインドのヨーガ行者が、温度差が5.5℃になるまで手掌の皮膚温を上昇させると同時に手背の皮膚温を低下させることができることを1977年に報告しています。また、エリック・ペパー博士らは誘導イメージを使った皮膚温バイオフィードバック訓練で、平均3℃末梢皮膚温を上昇させることができたと2003年に報告しています。その他にも外傷後の治癒プロセスが皮膚温バイオフィードバックで局所の血流量を増やすことで促されたという研究報告もあります。

臨床応用としては、リラクセーションの一技法としてだけでなく、末梢血管を直接拡張させることで頭痛・関節炎の疼痛・糖尿病による足の潰瘍・月経困難症・高血圧・レイノー病など、さまざまな症状や病態を自ら改善させることができたという数多くの研究結果が報告されています。皮膚温バイオフィードバックは、認知行動療法、誘導イメージ法、催眠、瞑想、自律訓練法など他の心理療法やリラクセーション法と組み合わせて行うことが一般的で、それにより相乗効果を上げることができます。

手の温度とストレス

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自律神経のストレス反応の一つとして手の末梢皮膚温の低下があります。手の表面温度は、皮膚のすぐ下を流れている血液量で決まります。平滑筋でできている毛髪より細い毛細血管が網の目のように皮膚直下を流れており、十分にリラックスした副交感神経優位の状態では、この毛細血管は拡張し温かい血液が十分量流れているため、ほぼ体温と同じぐらいの手の温度となります。

一方、寒冷刺激やストレス状況下では交感神経系優位となり、皮膚末梢の毛細血管は収縮し血液量も減ります。そのため、手の温度も低く皮膚の色も赤みがなく白っぽくなってしまいます。これは、体表面の血液量を減らすことで体温を下げないようにしたり、闘うか逃げるかといったストレス状況下での外傷による出血を防ぐために、自律神経が自動的に調節していることによります。

寒冷刺激がないのに手が冷たくなっている状態は、自分自身ではストレスを全く感じていなくても身体がストレス反応を起こしているということになります。日頃から手の温度を測定して、どのような時に冷たくなっているのか、またはどのような時に温かいのかを知っておくことが、ストレスのセルフケアとして役立ちます。簡単な温度計や熱帯魚水槽の温度計、持続測定モード付き電子体温計などを使ってチェックしてみましょう。

バイオフィードバック

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ストレスに対して自分の心と身体がどのように反応するのかがわかれば、自分自身でコントロールできます。例えば血圧を測定して高い時には、深呼吸をしてから再度測定すると下がっているということはよく経験することです。このように、その時々の心身の状態をその場でリアルタイムに知ることができれば、実は自分自身でそれを変えることが可能となります。このような方法をバイオフィードバックと言います。

バイオフィードバックとは、通常は自覚することが難しい自分自身の生理反応を、測定装置により数値やグラフ、画像や音などの理解できる情報としてリアルタイムに確認することで、心身の状態をセルフコントロールできるようにトレーニングしていく方法です。1960年代に自律神経系反応のオペラント条件付けが可能であることが報告されて以来、行動療法の一技法として欧米を中心に研究と臨床応用が試みられてきました。

その原理は、専門的になりますが学習理論・サイバネティックス理論・精神生理学などにより説明されています。また臨床的には、心身相関への気づきや認知(自己効力感や原因帰属など)の変容を促す効果が認められており、一般的な心理療法やカウンセリング、各種代替療法と組み合わせて使われます。米国では臨床心理士・カウンセラー・看護師・理学療法士・代替療法専門家などを中心として広く用いられています。

昼休みの効能

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昼休みは食事をするためだけの時間ではありません。コンビニで買ってきたおにぎりやパンで簡単に済ませてしまったり、食べながら仕事を続けたりすると、午前中のストレスや緊張をそのまま午後まで引きずってしまいます。また、午前中に消耗したエネルギーが再生回復していないため、午後からの仕事の効率が下がり、終業後も疲れが一気に出てきて何もする気が起こらなくなったりしてしまいます。

ゆっくりとよく味わいながら食事をすると、唾液を分泌し胃腸の働きを活発にする副交感神経が働くことでエネルギーが再生されます。昼休みは、午前中のエネルギーを消耗する交感神経優位の状態から、エネルギーを再生する副交感神経優位に切り替える絶好のチャンスでもあります。五感を使いゆったりとした気分で食事に集中するマインドフルな食べ方をすることで、午後からの仕事に必要なエネルギーが充電できるのです。

食後も直ぐに仕事を開始するのではなく、少し散歩したり軽い運動をしたりして気分転換してから始めるといいでしょう。特に長時間座りっぱなしのデスクワークの後は、積極的に身体を動かすことで交感神経の過緊張状態をリセットすることができます。動物としての人間にとって、身体を動かしている方がより自然であり、じっと座りっぱなしの状態は、それだけでストレスがかかっていることになるのです。